カテゴリ:哀しい話( 3 )

 

田舎での幼少期 最終章

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私はワクワクした。

あとどれぐらいで可愛い子犬に会えるんだろう?
何匹生まれるのかな?


子犬を見るのは生まれて初めてだったから。


私は嬉しくってばあちゃんに聞いた

「子犬あとどれぐらいで生まれるの?何匹くらいかなぁ」



するとばあちゃんは少しだけ顔を背け

私の顔を見ないで言った。




「生まれても流しっちまうぞ」





え?なに?どういう意味?


幼い私ははじめ意味がわからなかった。


「流すってなに?」

近くにいた叔父(父の弟)に聞くと。


「そんなにうまっちぇも(生まれても)育てらんねーから川に流すんだ」



川に流す?なにそれ?生まれた子犬を流すの?
なんで?


「なんで!?なんでそんなことするの?かわいそうじゃない!

何匹?何匹流すの?1匹?2匹?」


私はワケがわからなかった。
なんでそんなひどいことをこの人達はしようとしてるんだろうか?
冗談だろうか?
叔父達は(その頃母屋には結婚していて子供もいる叔父家族と独身の叔父が住んでいた)
よく冗談を言って私をからかっていたので、今度もそうかもしれないと思いたかった。


そんなことを思った私が聞いたのは


「全部だ、子犬は全部流すんだわ。


  今までもそうしてきたんだわ」



今までそうしてきた。今までもそうしてきたそうだ。
このあたりはそれが当たり前なのだと言った。

どこの犬も。どこの猫も。みんな生まれたら流す。
どこの家もみんなそうだと。言った。



              庭の石の上は小さい頃からお気に入りの場所

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チーちゃんの赤ちゃんが生まれるまでの間のことは正直あまり覚えていない。

父に何度も泣いてお願いした記憶が少しだけ残っている程度だ。
それも、思いだそうと脳で作業を開始したここ最近少し思いだした程度で

記憶から消したのだろうと思う。




それはある朝のことだった。

誰が呼びに来たのかは覚えていない。
多分叔父の子だろう。

「生まれたよ!チーの赤ちゃん生まれたよ!!
  Yちゃん早く早く!!」

叔父の子達も子犬を楽しみにした、

と同時に  流されることに怯えていた。

彼女たちはもう何度か流されるのは見ている。
目にはあきらめがあった。



子犬は7頭だったと思う。

チーの乳を吸っていた。


生まれたてで、小さくってねずみみたいな子達。

茶色い子や薄い茶色の子や白黒のブチの子。


可愛かった。こんなに可愛いんだから流せるはずがないって思った。


「流さないでしょう?可愛いもんね。うんうん可愛いよね。流さないよね?」


「流すって言ってっぺ」

叔父は吐き出すように言って子犬をチーから引き離しだした。


え?もう?今日なの?さっき生まれて、数時間しかたってないのに
もう流しちゃうの?


私はオロオロとして1匹をとっさに抱き上げた。



叔父と父は生まれたばかりの子犬を抱けるだけ抱いて、
川へと降りていった。


今思えば何度も往復したくなかったのだろう
抱けるだけ無理して抱いていた。

父は無言だった。
何も言わずの子犬を抱き上げ
川へ降りていった。


チーは?チーはどうしていたのだろう?
チーを思い出せない

多分私はその時のチーの気持ちより
誰にも気づかれず抱っこできたこの犬を
助けられるか?どうするか?そればかり考えていた。


このまま犬を流し終えれば大人達は仕事に行く
そしたらこっそり子犬をチロに戻せば今日はもう見つからないかもしれない。

私の気持ちがわかるのか
叔父の子達も私が抱いてるのを気づいてるのに何も言わない。

父や叔父達の戻ってくる足音がする。

あんたの兄弟はもう冷たい川を流れてしまった。
今走れば間に合うか?流れてる赤ちゃんを助けることが出来るか?
ああああでもそれは出来ない。
だからだからごめんね

あんただけ絶対助けるよ。







「なんだぁ!1頭抱いてるじゃねーか」



そんな誓いもむなしく、すぐに私は子犬を取り上げられてしまう。



「お願い!1日でいいの!1日でいいから待って
 明日にして。

この子だけは明日にして!お願い!」


泣きながら頼んだ。


    あー書いてて涙が出る。ちきしょう 書きたくない。



でも叔父はそんな私の願いを聞き届けることなく
私から子犬を取り上げ川に降りていった。


叔父は知っていたのだ、1日置いたら余計情ががわくことを。



父は。。。。


父は動物好きだ

その父が生まれたての子犬を自ら川に流す。


イヤだとは言えない。
血が繋がらない長男だから。離れに住まわせてもらってるから。
父は“流せない”なんて言えない。

犬が好きな父は自らの手で犬を殺す


はぁ~また泣けて来た。
だって私は激しいファザコンなのだ。


虐待から人を噛むようになったMダックスのねじ。
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破棄されるところを近所の方に救われ
あやっちさん経緯で実家の里子になった

当初は父も噛まれて私に返そうと何度も思ったそうだ。




そんなねじは今父の膝枕で寝ている。








叔父は、6年も前にガンで亡くなった。
川から流れてくる犬を救ってると良いけど。



それからも。
子犬は生まれるたびに流された。

私はもう子犬を見に行くことをしなかった。


いつしか我が家は離れから引越をして
少し離れたところに暮らした。

チーは死んだと聞いたのは中学生の時だったと思う。


父が埋めに行った。



今も思う。


流れていったあの子達は

みかんだったかもしれない。

要だったかもしれない。

マロンだったかも、あーちだったかも、もなちゃんだったかもしれない。


哀しい目のチーはシェリーだったかもしれない。


そして、

兄弟より数分だけ長く生きて私の腕に抱かれた白黒のブチの子は

あけびだったかもしれない。



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長い間お付き合いありがとうございます。

哀しい話はこれで終わり。




またいつものお気楽脳天気なブログへと戻りますので。
皆様お楽しみに。



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by man_getu | 2006-03-03 10:03 | 哀しい話  

田舎での幼少期 続き

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このことを書こうと思ってから
段々思いだしてきた。
やはり人間使ってない脳を放置すると本当に退化するのね・・・

気をつけようっと。


さて、続きです。



その子がポインターの雑種だったのか
柴の雑種だったのが

正直覚えていない。ごめんよ。

でも名前はなんとなく思いだした

多分チロ

チーって呼ばれてた。

ばあちゃんが何か余り物が出ると

「これチーにくっちこ(方言:「あげて来なさい」という意味)」
って言ってたのを思いだした。


足がとても長くすらっとした胴をしていたので
今思えばポインター系ではなかったと思う。



父は動物好きだった。
東京でも団地では飼えない犬猫以外はほとんど飼っていた。
セキセイインコ。シマリス。ハムスター。文鳥。亀。

セキセイインコは私がよちよち歩きの時の
お尻でつぶして死んでしまったそうだ。

覚えてないが、聞いたときはショックだった・・(鳥殺し。。。しかも圧死)


一番可愛がっていたのはシマリスのクリちゃん
よく噛まれたし、団地の3階のベランダから飛び降りて
脱走をしたこともあったけど家族で可愛がっていた。

クリちゃんにお嫁さんをとメスのりりちゃんを福島に行く前に飼った。

が、

りりちゃんが気が強くクリちゃんは小さくなってた。




                    シェリーは父によく懐いていた

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福島に引っ越してから、あまりにも仲が悪いのでケージを別にしたけど
クリちゃんは少しずつ弱っていった。

その頃の私たち家族は、動物を治療で病院に連れて行く習慣がなく
近くには動物病院はなかった。

それよりなにより、引っ越して来たばかりの我が家は
こころ弾む新生活とは行かない色々なことがらに追われ
クリちゃんをきちんと気に留める余裕がなかった。

ある少し寒くなってきた秋の朝
クリちゃんは冷たくなっていた。


父と二人ケージの前で呆然と動かないクリちゃんを見ていた。

私はメソメソと泣いた。


小学2年のことだった。



そんな哀しいことがあった後に

うれしいことが起きた。




          チーの妊娠だ。

日に日に大きくなるお腹を見ながら私はワクワクした。

私は毎日チーちゃんにおやつを運んだ。

今思えばせんべいだったと思う。


チーちゃんは嬉しそうに食べた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く。
           



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by man_getu | 2006-03-02 09:29 | 哀しい話  

今日はまじめに書いてみよう。

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今日は昨日とは一転暗~~く哀しい話。


みかんを迎えて日記(ブログ)を書き出して
いつか書かなくっちゃと思っていたのに、なかなかペンが進まなかった。


私の実家はすごい田舎で
いまだに放し飼いの未不妊の犬が勝手気ままに歩いていたり

うんちを取る人もいない。

実家に帰ってうんち袋を持って散歩に行こうとすると
「取らなくていい誰も取る人はいない」と言われる。

まぁ申し訳程度に埋めるためにスコップもって散歩に行く。



当然我が家の庭には飼い犬以外のうんこがあるときも多いが

その辺は田舎の人は慣れてるのか、怒りもせずに埋めたりする。



そんなところで育った私の、子供の頃の話。


               サスケは実家の池が好きで目を離すと飛び込んじゃってた

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東京で団地に住んでいた我が家だが父が
「土の上に住みたい」と言いだし

住む場所が出来る前に祖父母の敷地内の離れに引越をする。

それが福島だ。



父は長男だがちょっとだけ複雑だった。


父の本当の母親は祖父の妹なのだ。
父の本当の母は父の父(本当の祖父)と離婚をしていて

再婚にあたって子供(父)がいては先方が気を使うと
自分の兄に養子にだした。

父はあまり子供の頃の話をしない。
だけど養父母の子供達。つまり妹弟達はとても父を頼りにしてるところを見ると
そんな辛いいじめ的なものはなかったように思う。

それでも父が言っていたことを母から聞いたことがある。
「同じように食べさせてくれたけど、気を使ってお腹いっぱい食べれなかった。
戦後の食糧難もあったり、いつもみんなおなかが空いていた。
自分がおなかが空いていても弟や妹が“足りない”と言えば時分の分を差し出した。
長男だし、育ててもらってるしワガママは言えなかった。」

ここまで書いてなんだか泣けてしまう。
何せ私はファザコンなのだ。


さてさて。
東京から福島に引っ越してきた我が家は祖父母の敷地内の離れに落ち着いた。


そこでこれから家を建てる土地を探し、家も父が自分で建てるのだ。
父は大工なのだ。

離れに住んでいる間、我が家は正直裕福とは言えなかった。
給食費を滞納したこともある。

住み心地がいいとも言えなかった。

よくわからないが、母は特に肩身が狭く苦労をしていたらしい。
姑にちょくちょく言われるイヤミや、お嬢様育ちの母には
田舎の環境に慣れなかったんだろう。

父は実家の仕事を手伝っていたが、正直うまくいってないようだった。


それでも何も知らない子供だった私は
自然が溢れているこの地が嫌いではなかった

だけど、セブンイレブンがないのは痛く不満だった。



祖父母の家にはポインター系の雑種が外の犬小屋にいた。


繋ぎっぱなし。散歩をしていた記憶はない。
ご飯は人間の残り物みそ汁かけご飯だ。

加熱した魚や鳥の骨だって入ってた。でも・・・バリバリ食べてた。
元気だったと記憶している。




その子はひとなつっこいメスだった。名前は覚えていない。




               でも池から上がれなくて父に救出される(笑)
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     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・続く。


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追伸: あけびの兄弟で最後まで赤い糸を待っていた
     九ちゃんがぶっとい赤いロープを引き寄せました。
1日だけ預かったことがあるので本当に嬉しかった。
九ちゃんおめでとう。本当におめでとう。
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by man_getu | 2006-02-28 18:51 | 哀しい話